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技術力で顧客価値を増大させ、社会の発展に寄与する

株式会社ソアーシステム
代表取締役社長 大脇 耕司


創業から現在に至るまでの変遷について教えてください。

創業は1981年。ソアーシステムは大手電機メーカーで働いていた創業者が独立して立ち上げた会社です。もともとはハードウェア開発の会社としてスタートし、現在ではハードウェアとソフトウェアの両面から開発できる強みを活かして、組込みシステムからITソリューションまで幅広いシステム開発を行っています。

創業期から90年代にかけては順調に成長を続け、91年に入社した私も含め20代の社員が多かったこともあり非常に勢いのある時期でした。

2000年代に入りITバブル崩壊もありましたが、会社が傾くような直接的な影響はありませんでした。この時期には様々な分野の開発を行うようになり、企業のステージとしては成長期から安定期に移行したように思います。

2009年に大きな動きがあります。創業社長をはじめ全役員が退任し、M&Aによりある上場企業のグループに所属することとなりました。この頃はリーマンショックの影響もあり、一時期は売上げがかなり落ち込んだこともありましたが、新規顧客の開拓で取引先企業の絶対数を増やし、約10年かけて業績を回復させてきています。

最近IT業界では、お客様企業に常駐して開発のお手伝いをするSESというスタイルが主流ですが、ソアーシステムでは創業以来一貫して、一括受託で自社に持ち帰って開発するスタイルをとっています。持ち帰って開発することによって、お客様の課題にチームで対応できるというメリットがあり、システム開発を組織的に行い、平均して高いレベルの技術を提供できていることで、長くお客様から支持していただけていると思っています。

会社の体制は変わっても、一括受託開発であること、常に技術的な成長を続ける会社であること、そして組織として団結力を持って開発を行うことでお客様の課題を解決し、お客様企業の価値向上に繋げるというコンセプトは創業以来変わらずに継続しています。




大脇社長がソアーシステムに入社された経緯を教えてください。

学生時代は、あまり自分が将来どうなりたいかといったことは深く考えていませんでした。ただ、何事にも苦手分野を作りたくない性格で、何か一つの分野で突出するのではなく色んなことができる人間になりたいという思いはありました。

どちらかというと理系よりも文系科目のほうが得意だったのですが、あえて試験が数学と物理しかないような工学部に進学したのもそういう側面があったのかもしれません。学生の頃は、何でもオールマイティにこなす「スーパーサラリーマン」になりたいと周りに言っていましたね。

大学を卒業する1991年、就職活動をしていた最中に、学校の野球大会で足を骨折して長期入院してしまいました。退院する頃には周りに大きく遅れを取ってしまったため、大学の恩師に相談したところ、ソアーシステムの創業社長が私の大学の研究室の卒業第一期生だったというご縁で、この会社を紹介してもらいました。正直に言って、その時は仕事内容をあまりよく理解していなかったのですが、ITの分野には興味がありましたし、どんな仕事でも一生懸命やれる自信はあったので、まずやってみようという気持ちで入社を決めました。



入社されてからは、どのようなお仕事をされてきましたか?

ソアーシステムに入社してからは技術者として組込みソフトや業務システムなどの開発を担当しました。その当時は、大卒より専門学校の卒業生を多く採用しており、私よりも年齢的が若くてバリバリ仕事をしている先輩が何人もいるような状況でした。

同じことをしていては彼らに追いつけないと思い、昼休みも休まず、とにかくガムシャラに働いていました。

しかし、同じチームの先輩社員から「個人で働くのではなく、チームとして働かなくてはダメだ」と教えてもらったことがきっかけに考え方が変わりました。「なるほど、会社では一人でできることはたかが知れているのか」と勉強になったことを覚えています。

30代の前半頃から少しずつ認めてもらえるようになり、技術開発部門の課長を任せてもらえることになりました。自分一人でお客様の課題を解決するのではなく、周りのスタッフと一緒に上手くチームを作りながら仕事をするチャンスが多くなり、今思うとこの時期がとても自分の成長につながったと思います。

仕事内容としては、一つの分野で突出した技術を持つというよりは、様々な分野の色んなお客様や自分が関わっていない仕事にも興味を持ってチャレンジすることを心がけてきました。ラッキーなことに社内の様々なプロジェクトにかかわることができ、このことが自分の興味や知識をさらに広げてくれたと思っています。

様々な種類の技術に関わってきたこと、様々なジャンルのお客様に繋がる環境で仕事に取り組んできたことで、2000年代の後半には技術開発部次長を拝命することになりました。



大脇社長が社長に就任された経緯を教えてください。

技術部門一筋で歩んできたので経営者になることは全く想像もしていませんでした。創業社長には「俺が辞めたらおまえかな?」と言われたことはあったのですが、株を買い取って社長になるなんて現実的に不可能でしたから、完全に冗談だと思っていました。

ところが2009年に、創業社長をはじめ当時の役員が全員退任、M&Aにより親会社ができ、新体制としてスタートするという大きな出来事が起こります。一年間は親会社の社長がソアーシステムの代表を兼任することとなりましたが、プロパー社員から役員を選出することになったため私が取締役に就任しました。そして、1年間の取締役を経て、2010年に代表取締役に就任することになったんです。

今考えると、技術開発部門で働いていた時から役員と一緒に新規顧客開拓の場面に同行させてもらい、「お前は開発の次長だが、開発だけでなく新しい顧客とつながるのも仕事。なのに、会社に座っている時間が多すぎる!」と厳しく指導していただいていたのは、本気で私を後継者として考えてくれていたからなのかなと思います。


後を継がれた立場として、変えるべきところと変えてはいけないと思うところはありますか?

一括受託開発というビジネスのスタイルは変えていませんが、時代の変化に合わせてターゲットとする顧客の幅を広げる努力は続けています。先代の時代はお客様が十数社と限られていました。今は以前からのお客様だけでなく様々なお客様とお付き合いさせていただいており、顧客数は30社以上になっています。売上げの額は微増ですが、お客様の数が大幅に増えてきているんです。

特定のお客様や仕事に依存していては、企業として持続的・安定的に成長していくことはできません。特にリーマンショック直後は、売上げが大きく低迷した時期もありましたが、積極的に新規顧客開拓に注力してきたことで業績を回復させることができました。

ただ、以前よりもプロジェクト1件1件の規模が小さくなっているので、対外的なコミュニケーションの重要度が増してきています。お客様と対話ができるリーダークラスの人材が数多く必要になってきているのが現在の課題だと感じています。

変わらないということは成長していないということと同義なので、人材育成の考え方も含めて変えるべきところは積極的に変えていくつもりです。一方で、今まで会社が培ってきた信用や信頼を失わないようにするという観点で、急に仕事のスタイルを変えたりはしてはいけないと思っています。
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今後の展望を教えてください。

新卒採用を積極的に進めてきたことで若手社員が増えてきています。私が若かった頃と比べて今の若い人たちは夢が持ちづらい社会になっているように感じているため、若い人たちの夢を掘り起こせる会社にしていきたいですね。そして、会社の目標と社員一人ひとりの目標を重ね合わせていけるような環境を作り上げていきたいと考えています。

これから会社が目指している目標を明示するために、ビジョン検討会を設置してビジョン策定のために取り組んでいるところです。経営陣だけでビジョンを決めるのではなく社員一人ひとりから意見をヒアリングしようと思っています。今後どのようなビジョンに育っていくか、これからが楽しみです。

事業内容としてはソアーシステムの強みである持ち帰り型の一括受託開発をさらに強化していくつもりです。持ち帰り型開発で他社に負けないアウトプットを出すために技術力を常に磨き続けていかなければなりません。

以前に比べて技術の多様化が進み、正解が一つではなくなってきているため、深い技術も必要ですが幅広い技術や知識も重要なポイントになってきます。自分たちが苦手にしている分野でも、それを提供できる他社と協力していくことも含めて総合力が求められる時代になってきています。

また、世の中の課題に対して、技術力を反映させた提案をたくさんできるようにしていかなければならないですね。そこで課題になるのがコミュニケーション能力の強化。我々が持っている技術をお客様の課題解決にいかに結びつけられるかという論理的思考や、お客様が言っていることを正確に聴き取る傾聴力なども含んだコミュニケーション能力が求められてきます。

技術力とコミュニケーション能力を全社的に引き上げ、一人ひとりがコンサルテーションできる組織にしていきたいんです。現にそういったことができている数名の社員が会社を牽引してくれているので、彼らの姿をロールモデルとして組織全体をボトムアップさせていきたいですね。​​​​​​​





<インタビュー情報>
株式会社ソアーシステム
代表取締役社長 大脇 耕司
会社ホームページ https://www.soarsystem.co.jp/index.html


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