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総合的リスクマネジメントを通して関わる人すべてを幸せにする

株式会社ライズコンサルティング
代表取締役社長 井川 敦裕


創業から現在に至るまでの変遷について教えてください。

1976年に創業者の三橋が保険を活用したリスクマネジメントを行う保険代理店として開業したのが当社の始まりです。開業初期の頃は損害保険の中でも海上の危険による損害を担保する海上保険をメインに取り扱っていました。
また、交通事故や病気など人に関係するリスクにも対応できるよう生命保険も併せて取り扱うようになり、損害保険と生命保険の組み合わせによる総合的なリスクマネジメントを行うようになりました。潜在的なリスクを顕在化して、そのリスクをヘッジするためのコンサルティングを行うリスクマネジメントがライズコンサルティングの事業です。日常的な暮らしの中では怪我や病気などによるリスクをあまり考えないものですが、目に見えないリスクがあるということを気づかせてあげることが我々の仕事であり、リスクヘッジ策の一つとして保険という商材をご提供しているんです。総合的なリスクマネジメントの考え方は創業当初から現在まで変わらずに受け継いでいます。
当初から海上保険を主として取り扱い長年実績を積み上げてきたことで保険会社や関連する業界との密接な関係性を構築しており、一般的には引き受けできないような難しい案件もお引き受けできる専門性がライズコンサルティングの強みです。

井川社長がライズコンサルティングに入社した経緯を教えてください。

以前は広告会社で営業職として働いていたのですが、当時の直属の上司が弊社の社長を兼業しており、その方からのお誘いがあり保険の仕事を手伝わせていただくことになったのがきっかけです。しばらくは広告と保険の仕事を兼業していたのですが、次第に保険の仕事を専業で行うようになりライズコンサルティングに入社することになりました。入社してからは保険の営業をしながら社内のインフラ構築など総務的な仕事も併せて行っていました。広告会社に勤めていた経験から、会社のホームページや会社案内の作成、
名刺のデザイン変更などを手がけ、サーバー管理なども徐々に整えてきました。PCの管理などが十分でないところも多かったので環境を整えていきました。
また、当時の社長が新しく開設した地方の支店にかかりっきりで本社を不在にすることが多かったため、本社に降りてくる案件を私が一旦聞き入れて社長に話をあげるという橋渡し役も務めるようになりました。社長に報告する際、自分の意見を求められることも多く、次第に経営的な考え方が身についてきたように思います。一般社員だった頃から社長の右腕として育てていただいたおかげで、私が代表に就任する際もスムーズに引き継がせていただくことができました。その点は、本当に感謝の気持ちしかありません。


入社当初から会社を引き継がれることを意識されていましたか?

入社した当初は全く意識してはいなかったのですが、前社長の右腕として働いている中で私が引き継ぎ要員だということは言われていたので、いずれは引き継いでお客様を守っていかなければならないという感覚は持つようになりましたね。前社長が勇退されたタイミングで、創業者である会長から指名を受けて代表に就任することになりました。私自身、営業のトップセールスマンではありませんでしたが、営業の仕事だけでなく売上げの数字の管理やマネジメント的な仕事をやらせていただいており、組織の核となって回していた部分があったので、そういった流れの中で指名していただけたのだと思っています。
実は子どもの頃から現在まで変わらない性格なのですが、リーダーシップを発揮するタイプではないんです。ただ、昔から人間関係のバランスを取り、調和させていくことは得意としていました。そのため、引っ張っていくリーダーという感じではないものの、人をまとめるのが好きな性格であることが経営に携わることになった背景かもしれません。会社が「こうあるべき」という考え方を押し付けるのはあまり好きではないので、社員一人ひとりの意見を尊重できるような場として会社を運営していきたいと考えています。


社長に就任されてから、改善に取り組まれたことはありますか?

私が就任する以前のライズは、株式会社でありながら創業者であり現会長の三橋の個人商店的な性格が非常に強く残っていました。組織的な会社運営が充分できていないような状態だったんです。その部分を課題として感じていたため、社長に就任してからは組織改革を意識するようになりましたね。

まず初めに着手したのは経営理念を徹底的に浸透させることです。個人事業主の集まりだった組織を同じ目的を共有する組織に変えていくためには経営理念を浸透させることが何よりも必要だと思ったからです。
「ライズに関わる人すべてを幸せにする」というのが当社の経営理念です。お客様や取引先、従業員などライズと関わりのある全ての方々が幸せになれるようにしていかなければ会社を継続させていくことはできないという想いが込められています。
創業者の三橋は誰に対しても優しく接する仏のような人でした。仕事の面では厳しい部分はありながら、常にお客様を守っていく意識が誰よりも強い方なんです。76歳になられた今でも会長として仕事に関わっっていただいています。自分が辞めたらお客様に迷惑がかかるという理由でいまだに仕事を続けておられるので、まさにライズの経営理念を体現されているような方ですね。

三橋の時代から変わらない想いを、あらためて明文化して浸透させていくことを心がけました。毎月の定例会議の際には、売上げや業界のトレンドなどの話だけではなく、なぜ我々が今この仕事をしているのかというミッションの部分を伝えるようにしています。対外的に経営理念を全面に押し出していくことはあまりしていません。会社と従業員が理念を共有することによって、従業員の日常的な行動に理念が表れてこなければならないと思っています。
組織に理念を浸透させ意識を共有させる改革を進める過程で辞めていく社員も少なからずいましたが、利益だけを追求する方や想いを共有できない方に居続けてもらってもライズの理念が崩れてしまいますから、一旦線を引かなければならないと思いました。


会社を引き継いだ立場として、変えてはいけないと思う部分はありますか?

会社の主軸である保険ビジネスの中で、お客様視点を大切にしていくことは今後も変えてはならない部分だと思っています。保険代理店は、保険料率の改定など保険会社の都合でお客様に保険料を上げてもらわなければならないこともあります。そういった時に「保険会社がこう言っているからこうしてください」とお客様にただ伝えているだけでは、お客様を大切にしているとは言えません。
保険会社とお客様の間に立つ立場として、保険会社の意向も踏まえつつお客様側からの意見や要望にしっかりと耳を傾けていかなければならないんです。保険に加入していただく前も、加入していただいた後のサポートも、常にお客様の声に耳を傾ける姿勢を持って取り組んでいくスタンスは絶対に変えてはいけないですね。
ビジネスとして考えると保険会社からの手数料がキャッシュポイントであるが故に、手数料が高い商品を勧めがちですが、そうして目先の利益だけを追って仕事をすると、お客様が本当に必要とされていない保険商品をアテンドしてしまう可能性がある。それでは、「ライズに関わる全ての人を幸せにする」という経営理念から外れてしまいます。一貫してお客様の要望を把握し、商品を選定してさしあげることで、お客様、保険会社、弊社それぞれが三方よしのビジネスとして成り立つ。この形を継続させていきたいと考えています。


事業面で新しく取り組まれていることを教えてください。

これまでは保険一本でやってきたのですが、新しい付加価値を提供しなければならないと考え、
数年前からクレジットカードのコンサルティングや格安携帯電話のコンサルティング販売、インスタグラムの運用サポートなど保険商品以外にライフスタイルの中で興味や必要と求められる情報を付帯サービスとして提供を始めています。

保険代理店は数多くありますが、正直に言うとどの代理店から入っても保険料は変わらないですしサービスもそこまで変わらないんですよね。保険屋さんは入る時だけ熱心だけど加入したら放置。と良く聞きますが、保険以外のサポートツールとしてフォローし続けていけたらと考えたのが新しい事業に取り組み始めたきっかけです。保険以外の面でもお客様と寄り添っていくモデルです。加入している保険を見直しましょうという昔ながらの営業ではなく、お客様の興味や関心に近いゾーンで商材にできるものを探していました。
ポイントを貯めやすいクレジットカードの提案や毎月の固定支出となる携帯電話やインターネット回線などの見直しによる固定費削減提案、インスタグラムのフォロワー数を増やすための提案など、時代のニーズを取り入れたビジネスに取り組んでいます。
保険に繋がるためのサブビジネスは広い意味でファイナンシャルプランニングのゾーンに入っているんです。クレジットカードは金融の一つですし、携帯電話も直接的には金融ではありませんが、家計の見直しという観点ではファイナンスの一部だと考えています。保険を中心としたファイナンシャルプランニングという広い事業ドメインの中で、新しいビジネスを展開している感じですね。

経営者は常に市場調査をして、時代がどのように動いているかを意識しながらイノベーションを連続的に発生させなければならないと感じています。時代の変化に対応できない会社は取り残されてしまいますよね。
我が社は老舗の保険代理店として築き上げてきたものを守るだけではなく、攻めの姿勢も必要と思っています。会社が時代の流れに沿って対応できているかを把握して管理するのは経営者の役割だと思っています。


今後の展望について教えてください。

ここ数年、保険業界は今まで以上に顧客第一主義が大きなテーマになってきています。
消費者保護の観点から金融庁が保険業界の規制を強化していることもあり、保険代理店がお客様に説明する事項や署名してもらわなければならない書類が更に増え、結果逆にお客様が内容を理解しづらい状況にもなってきているんです。

しかし、そういった規制強化の流れは変えることはできないので対応していくしかありませんが、そうしているうちに時代は刻々と変化していきます。将来的にはAI技術の進歩により保険代理店の仕事がなくなる時代が来るのではないかと思っています。
どれだけサービスを向上させたとしてもAIに勝つのはまず不可能なので、我々は別の生きる道を探していかなければなりません。AIに対抗するというよりは、AIと上手く付き合ってAIを育てていけるような業界にしていかなければなりません。

今後の目標としては、新しく取り組んでいる保険以外の付加価値の提供を更に広げていくことと、付帯サービスをビジネスとしてしっかり商品化していく動きが必要だと思っています。売上げの数字を上げるというよりは、数字の中身をしっかり作っていきたいですね。
また、若年層の顧客を開拓していくことも課題です。年齢層として50代~70代のお客様が多いのですが、その方々の子どもやお孫さんの世代にアプローチしていかなければなりません。若い世代の方々のニーズを捉えながら、保険だけ売っていては生き残れない時代を乗り越えていきたいと考えています。


 

<インタビュー情報>
株式会社ライズコンサルティング
代表取締役社長 井川 敦裕
会社ホームページ http://www.rise-c.jp/corporateinfomation.html

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