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インターネットという仕組みを使って、お客様の課題解決をするのが私たちの業務

株式会社ノヴィータ
代表取締役 三好 怜子


― 設立から現在に至るまでの変遷について教えてください
ノヴィータは2006年にネット広告のクリエイティブ制作を行う会社として設立し、それから1~2年の間はバナーというWebの広告を専業で制作していました。
バナーのリンク先はWebサイトやランディングページであるため、ネット広告を制作している過程で、お客様からWebサイトも制作してほしいという依頼が増えていきたことから、要望に応える形でWeb制作事業を開始しました。

Web制作事業での企画提案力に磨きをかけ、2014年には、市場調査や分析を得意としていた強みを活かし、マーケティング的な視点から企画提案やコンサルティングを行うマーケティング事業部を立ち上げました。
また、同年、ノヴィータの提案力や企画力を高く評価していただいたお客様から常駐してほしいとの声を多数いただき、外部のパートナー企業と提携して人材サービス事業も開始しています。

ノヴィータでは「最適と創造」というコンセプトを理念として掲げています。この理念には、「お客様の要望に応える“最適”なクリエイティブ制作を提供するだけでなく、時には新しい仕組みを“創造”し、ビジネスや社会の“課題解決”を目指す」という想いを込めています。そのため、ネット広告制作、Web制作、マーケティング、人材という4つの主たる事業は、お客様から要望されたことに応えていく中でスタートしているのです。

現在では、お客様から受託した仕事で培ったスキルやノウハウを活かしながら、数年前からビジネスの種を蒔き、社会の課題解決に資するような新規事業の“創造”にも積極的に取り組んでいます

(社員総会にて)


― 三好社長がノヴィータに入社した経緯は何ですか?
先代社長の小田垣が会社を立ち上げた3ヶ月後に私は入社しています。小田垣とは大学は違いますが大学時代に知人の経営者を通じて知り合った2歳上の先輩で、ほぼ創業と同時期から一緒に働いてきました。
私は、学生時代から経営者として働くことへの憧れがあり経営者のインタビューをしていたことがあるのですが、比較的年配の方が多く、そこからなかなか自分が経営者になる道のりがつながりませんでした。そんな中、身近な存在として経営者である小田垣がいてくれたことで、非常に刺激を受けましたね。
当時、社会的にITベンチャーが盛り上がっていた時期でもあり、就職して働くことだけが全てじゃないという価値観も生まれてきた中で、ノヴィータの前身となる会社でインターンとして働きはじめたのが私の最初の仕事でした。
その後、Webディレクターとして制作事業に携わり、8年ほど現場で実務経験を積み、2011年29歳の頃に取締役として経営陣に加わりました。


― 先代社長はどのような方でしたか?
小田垣は、ゼロからイチを生み出す能力が非常に高い人でしたね。デザインやクリエイティブの技術は持っていなかったので、アウトラインを彼がつくって、それを私が形にしていくという役割分担でした。

私はどちらかというと一から十をつくるのが得意なんです。Webディレクターとして、まずはお客様の要望があり、予算とスケジュールがあり、それをどうやって組み立てて形にしていくかという仕事をやってきていますので。

そういった意味では、ゼロからイチを生み出すのが得意な小田垣と、それを形にするのが得意な私で、お互いに補完しあっているような関係性だったと思います。今でも共同代表の会長として小田垣にはサポートしてもらっており、私に欠けている部分では意見をもらったりしていますね。


― ご自身が社長になることは意識されていましたか?
創業期から小田垣と一緒に働いている中で、彼は30代で引退して代表は後進に譲りたいということをよく言っていましたので、いずれは私が経営を引き継ぐこともあるのかなとは漠然と思っていました。そういう意味では社長に就任する以前、29歳で取締役になったタイミングで覚悟は決まっていたように思います。
小田垣がノヴィータ設立後10年ほど代表を務めていた間は、ベンチャー企業特有の勢いやスピードの早さもあり、組織としても新陳代謝が早い状態で進んできましたが、私が社長に就任した2015年頃、企業のステージがある一定の段階まで進んでからは、会社のベースを安定化しながら成長させていくことが必要になってきていました。

私は諦めが悪い性格で(笑)、継続していくことが一番得意なので、そういった性格を踏まえてノヴィータを必ず継続させていくことができるのではないかと思い後継者として選んだと小田垣からは言われました。
当時はあまり理解できていなかった部分もありますが、今振り返ってみると当時小田垣が私を指名した想いが分かるような気がしています。


(インタビュー時)


― 経営を引き継いだことでギャップのようなものは感じましたか?
社長に就任してから私自身は変わっていないのですが、自分というより周りの人からの対応にはギャップがあったかもしれません。取締役になったときもそうでしたが、社長になった際も「若いのに凄いですね」と言われることはよくありました。
正直、周りからそういう目で見られていることにはやりにくさを感じましたが、会社の代表者として表面上で見られることは避けられないので、表面上の評価でマイナスを生まないような意識はするようになりましたね。私が女性であり、育児をしている母親であるというキャラクターも、一層表面上で判断されやすい部分でもあると思います。

不測の事態が生じたときも、言い訳をしてしまうとそういう人間だと思われてしまうものです。そのため、たとえ事実がどうだったとしても、カバーしながら対応するように心がけています。
先代からも、社長に就任してしばらく経ってから、人は表で見えるもので判断するものだから会社の代表者として発言や行動には常に責任を持たなければならないとアドバイスをいただきました



― 社長に就任してから困ったことは何かありましたか?
先代と比較されることでやりにくかった部分は少なからずありました。先代は創業者ならではのスピード感を持っていましたが、それと比較すると私の歩みは非常に遅く見えるんです。彼のスピード感を良しとしていた人からすると、私のやり方は物足りなく感じる場合もあったのではないかと思います。
先代と共にやってきたメンバーがほとんどなので、組織として以前のカラーがまだ残っている状態だったことで、就任した当時はやりにくさを感じましたね。

そういう意味では、子どもの出産を経験した後、去年が、引き継いだ経営者として一番辛かった時期でした。社長としての体制が整う前に出産・育児が重なり、仕事とプライベートの両立のバランスが掴めない五里霧中の状態でやっていたので。その両立に苦労したことで、去年は二回円形脱毛症になりました(笑)。
ただ、役員をはじめ先代のやり方に慣れているスタッフたちに戸惑いや不満があるのは当然で、何度も話し合いを重ねる中で、自分が後継者として指名を受けた理由を私自身が理解できたように、徐々に周りのメンバーにも理解してもらうことができました。

元々数年は時間がかかることは覚悟していましたが、自分が手がけてきた事業の成果の兆しが見え始めてきたこともあり、昨年の反省も踏まえてペースを掴むことができたので、今では大分やりにくさは感じなくなりましたね。


(子連れ出勤を実践する三好社長)


― 先代の時代から、変えるべきものと変えてはいけないものはありますか?
先代が社長を務めていた時代の後半、そして私が代表に就任してから、色んな仕組みをかなり変えてきています。
先代は財務面で独特なセンスがあり、感覚的に会社の状況を把握する能力があったのですが、私には同じような感覚がなかったので、彼の指標では自分が安心して経営に向き合うことができませんでした。

今は自分なりの指標を設け、月次よりも更に短い週次で各事業部のP/Lベースの資料を確認し、疑問のある点については指摘して改善するというサイクルをつくることができました。この部分がクリアできたことは一つの節目として自信になりましたね。
先代は自分の仕事への取り組み方や成功パターンを、他の人が見ても分かる状態で残せなかったとよく言っていました。その分、私は自分が理解できるだけでなく、他の人が見てもある程度は分かる客観的な指標を作成することを心がけています。

また、先代はいわゆる分かりやすいトップダウン型のリーダーでした。社員数も増えてきた中で、私はなるべく全員の納得感を高めたいという思いがあり、できるだけ皆の意見を聞いた上で最終的な判断を下すようにしています。
会社は私や株主だけのものではないと考えています。今は私がたまたま代表をやらせていただいているだけで、会社の売上げは日々社員の皆の活動によって積み重ねられているわけですから、10割は無理だとしても6~7割の合意は得た状態で物事を進めたいという想いがあるからです。
瞬発的なスピード感は以前の体制よりも遅くなったかもしれませんが、納得感が高まった分、全社で新たな取り組みを始めるときに、浸透するスピードは以前よりも早い部分があると思います。

変えてはいけないものとしては、やはり会社の理念である「最適と創造」の部分です。先代の頃からこの理念自体はあったのですが、現在ほど丁寧な言葉で表現されていなかったので、社内外に発信するため広報担当者と協力して分かりやすく言語化していきました。
理念の言語化も、広報担当者と2人で決めたのではなく、役員はもちろん、現場のリーダー陣にも意見を仰ぎ、聞く人の立場によって誤解を生まないような言葉を慎重に選びながら進めましたね。要するに、この変えてはいけないものを守り続けるために、やり方をどんどん変えていっているということなのです。


― 人材や組織の面で取り組んでいることはありますか?
私はノヴィータの社員にできるだけ長い間働いてもらいたいと思っています。よく終身雇用はよくないと言われがちですが、私は一生に渡って面倒を見続けられるのはすごい制度だと思っているんです。
私自身、出産してからも仕事を続けさせてもらっているという感覚が強いこともあり、何らかの事情で働き方が変わってしまうことに対して、会社としてなるべくサポートしていきたいと考えています。

ある営業のメンバーが家庭の事情で今の業務を続けられなくなった際に、もともと在宅での働き方を希望していたこともあり、とりあえず在宅ワークをトライアルでやってみようということになりました。実際に試してみて、在宅ワークでは上手くいかない業務も一部ありましたが、じゃあ、その業務をどのように変えたらいいのか、会社という組織を使って実験させてもらっている段階です。
その実験の結果をみんなに還元して提供していきたいですね。寝ている時間以外はほとんど働いている時間じゃないですか。私としてはその時間を充実させていってほしいですし、納得度の高い満足いく状態に持っていってほしいという願いがあります。
もちろん、社員が会社や社会に対してちゃんと結果を出すことが前提の相関関係ですが、会社が仕組みや制度を変えることで理想の働き方が実現できるのであれば、やっていきたいと思っています。


(新卒に研修指導を行う三好社長)


― 二代目として捉えている御社の強みは何ですか?
インターネットという仕組みを使って、お客様の課題解決をするのがノヴィータの業務です。課題解決の先は、会社でも個人でも社会でも何でもいいのです。
その業務の中で、ノヴィータの最大の強みは、企画を立て、設計図を書いて、設計図通りに形にして世に出すという一連の流れを一気通貫してできるという点です。
おそらく、それぞれの分野を個別にみれば、我々よりも高度な技術を持っている会社はたくさんあると思います。ただ、それをチームで協力し合い一気通貫でやることができる会社は多くないはずです。

この強みがあるのは、何よりもクリエイティブ制作の業界で、クライアントからのニーズを汲み取りながら13年間実績を積み上げてきたからに他なりません。本当にお客様からは、たくさんのことを学ばせていただていると思っています。
受託制作の仕事は、成果物を納品してはじめて対価をいただくことができます。「やれますか?」と聞かれて「100%やれる」と言い切れるものはあまりありませんが、その中で満足していただける成果物を制作できなければお金はいただけないのです。
この受託の業務の中でお客様に揉まれてきたことで、当たり前のことを当たり前にすることを徹底できるようになり、それが今のノヴィータの強みの裏付けになっています。

Web業界は日進月歩の技術の世界ですから、常に最先端の技術を追い求めるというのも一つのやり方かと思いますが、ノヴィータではそうは志向していません。
Web制作のコーディングと呼ばれる仕事も、いずれはAIによる自動化が実現する日が来るかもしれません。その場合でも、自動化のプログラムをインプットするのはやはり人なので、考えて設計して実現するという仕組みが大事になってくると考えています。
ノヴィータには、私以外にも考えられる“脳”の役割を果たすことができる人材が複数いるので、時代が変わっていったとしても特徴的な強みを発揮できると思いますね。


(LAXICの社外プレゼンにて)


― 今後の展望について教えてください。
売上げや社員数など規模に関してはあまり興味がないので、今後も目標を立てるということは考えていません。ただ、展望としては大きく分けて二つあります。
一つは、安定した利益を生み、社内的に長く働き続けられる組織をつくること。もう一つは、主力事業である受託事業以外の新規事業でキチンと利益を出せるようにして、現在の主力事業と合わせて二本柱をつくりたいということです。

具体的に今、最も力を入れている新規事業が、LAXIC(ラシク)という働くママ向けのサービスの中の1つで、簡単に説明すると、人手が足りていない企業と働きたいと思っているママさんをマッチング支援するサービスです。
現状として、企業側はママさんの採用や活用の仕方が分かっておらず、逆にママさん側も仕事に対するブランクがあるためどのように働いていけるか不安を抱えているという双方に課題があります。その課題をノヴィータは解決していきたいと考えているのです。
実際にLAXICを通して働いていただいているママさんもおり、彼女たちは非常に優秀に働いてくれています。まだ単体の事業として成立するまでには至っていませんが、是非この事業を成功させたいと思っています。このLAXICという新規事業は、子どもを持つ一人の母親としての私が、どうしても実現させたいと願っている事業なのです。

私自身「やりたいことで飯が食える組織」をつくりたいと常日頃から言っていて、ノヴィータを一人ひとりが自己実現できる会社でありたいと思っています。そのためには、私自身の夢であるLAXICを収益事業として成功させて、実例として他のメンバーにちゃんとできるんだということを示していきたいと思っています。

事業活動を通して自己実現を果たしながら、最終的にはノヴィータを継続させていたくのが私の第一義です。チームで協力しながら社会の課題解決に取り組む考え方に共感してくれる人材や、ライフスタイルの変化に合わせて長く働き続けたいと思っている人材は、いつでもウェルカムです!




<インタビュー情報>
株式会社ノヴィータ
代表取締役社長 三好 怜子
会社ホームページ https://www.novitanet.com/

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