『お役立ち』の想いで会計事務所の成長と発展をサポート


株式会社実務経営サービス
常務取締役 板垣 誠



現在の事業内容と創業の経緯について教えてください。

実務経営サービスは「会計事務所とその顧問先企業の成長と発展をサポートすること」を目標として、会計事務所向けのサービスを提供している会社です。1999年の創業以来、お役立ち情報の発信や顧問先拡大・顧問先サービスのためのツール開発、事務所経営のカウンセリングなど、一貫して会計事務所の経営・営業を支援する事業に取り組んできました。

発足当時から「実務経営研究会」という会員制の勉強会を主催しており、現在では全国から1500以上の事務所にご参加いただいています。会員様向けに「実務経営ニュース」という月刊誌を刊行している他、年間百回以上のセミナーを開催。主に会計事務所の経営に関わることや、会計事務所のクライアントにとって有益な情報を発信しています。

他にも介護事業をサポートする会計事務所ための「C-MAS介護事業経営研究会」、資金調達・資金繰り支援を行う事務所のための「FAA資金調達相談士協会」などを運営しており、2018年10月には、寺社の経営支援を行う勉強会も立ち上げました。

これらの事業はすべて「お役立ち」という当社の経営理念に基づいて、会計事務所やその先のお客様のお役に立つことを目指して展開しています。



御社の強みやこだわりはどのようなものですか?

直接競合する会社があまりないことが強みだと思っています。もちろん定期的に業界紙の発刊やセミナーを開催している企業はありますが、当社ほどニッチなマーケットに絞っているところはないので、そういう意味では競合はほとんどありません。

また、創業社長である中井も現在常務を務めている私も営業畑出身であるため、とにかく現場が大好きで、多くの会計事務所と太くて広い接点を持てているのも大きな強みです。月刊誌というメディアを持っていることで「取材」や「情報収集」をきっかけに接点を持つことができるため、中井と私で多いときは年間200近い会計事務所とお会いさせていただいています。他のメンバーも含めると相当な数になると思います。

とはいっても、会計事務所も多様化していますし規模も様々であるため、全ての会計事務所がターゲットとは考えていません。当社としては、自分たちのクライアントに良い情報、良いサポートを提供しようとしている元気で前向きな会計事務所を支援していきたいと思っています。

ちなみに、中井も私も『会計事務所経営カウンセラー』と名乗っていますが、当社はコンサルティング会社ではありません。あくまで会計事務所の先生方に情報を提供するのが役割で、その先はそれぞれの会計事務所の判断にお任せするというスタンスです。それぞれの先生に哲学やポリシーがあるので、「何が正解か」ということはないと考えています。



板垣常務が実務経営サービスに入社した経緯を教えてください。

代表の中井が以前勤めていた某大手電機メーカーに、私も新卒で就職し営業職として働いていました。中井とは直属の上司と部下の関係だったこともあり、かれこれ20年以上の付き合いになります。中井からは社会人としての心得や仕事の取り組み方など多くのことを教わり、本当に様々な点で影響を受けた先輩社員の一人ですね。

その電機メーカーではシステム販売系の仕事を担当していました。様々な業種に特化したシステムを販売するために市場開拓を任されていたのですが、取り組んでいた業種で売上げが軌道に乗り始めるとすぐ別の業種の開拓を任されるという具合で…。

常にゼロから開拓することを求められていたので当時は大変な思いもしましたが、おかげでクライアントのニーズを掘り起こして商品を作り込んでいくという、いい勉強ができたと思っています。営業経験の中から業界の人と仲良くなる方法も学ばせていただきました。

公私ともに付き合いの深かった中井から今の会社に誘われたのは39歳のときです。当時はすでに結婚しており、正直なところ家族や親はどう思うのかなという迷いもありました。ただそれまでも「ゼロから立ち上げる仕事」をやってきましたし、このまま大企業の中で頑張ってもその先がなんとなくイメージできてしまったため、新しいステージで挑戦したいという気持ちが勝り、実務経営サービスに入社することを決めました。



入社後はどのようなお取り組みをされてきましたか?

私が実務経営サービスに加わった当時、社員は中井と私の2人だけ。会社自体も創業して5年目で、ようやく軌道に乗る目処が立った頃でした。この先どうやって発展させていこうかと、赤羽の飲み屋でいろいろな話をしたのを覚えています。

当社が経営理念として掲げている「お役立ち」の考え方は、その当時から中井とよく話をしていて、私もその想いに強く共感していたので、これまで軸がブレずにやってこられたのではないかと思います。

中井とは前職時代から一緒に多くの仕事を経験して実績も積み重ねていたため、失敗するイメージはありませんでしたね。会計事務所を対象にした会員制のビジネスモデルには、安定した可能性を感じていましたし、ひたすらどうやって広げていくかを考えていました。

広げていくためには会計事務所の方々に必要とされる企画を考え続けることが大切で、それがある意味で私の性に合っていたんだと思います。中井からも最初に「15戦して全勝するなんて無理だから、8勝7敗でいい、勝ち越せばいいよ。」と言われていたこともあり、失敗を恐れずに新しい企画にどんどんチャレンジしてきました。

実際に失敗を経験したこともありましたが、失敗からも多くのことを学ばせていただきました。その積み重ねがあったからこそ、現在1500を超える会計事務所の方々に会員になっていただけているのだと思っています。



事業承継のご予定を教えてください。

中井と二人で事業承継については話を進めており、2019年4月に私が社長に就任することが決まっています。当社の創業日が4月1日なので、それに合わせる形で代表を交代する予定です。中井からは、初期の頃から「自分の次はお前しかいない」と言われていたのですが、そのタイミングが今だったということだと思います。

ほぼ創業期からナンバー2として15年以上中井と一緒にやってきて、これまでも採用面接など重要な部分はほぼ私に任せてもらっているので、事業を承継するにあたり人や組織の面での不安はありません。後継者としては恵まれた環境だと思います。中井とお互い長所・短所を理解した上での信頼関係があるのも大きいですね。

中井には代表を交代してからも完全に引退するのではなく、会長として私の支援やに講演や営業活動などで力を貸してほしいと思っています。経営に関する部分は引き継いだとしても、まだまだ元気なので働いて頂きます(笑)。

そして、中井から受け継いだものを如何にして次の世代に引き継いでいくかが、私にとってこれからの重要課題です。中井にも「バトンをつないでいってほしい」という想いがきっとあると思いますし、私も10年を一つの区切りとして考えているので、会社のステージを上げていきながら、次を託することができる人材の育成も進めていかなければならないですね。



今後の展望や目標を教えてください。

私が代表に就任してからも経営理念を含むベースの部分は変わらずに引き継いでいきます。ただ、会社も時代に合わせてやり方は変化させていかなければなりませんから、変えるべきものと変えてはいけないものをしっかり分けた上で、リブランディングが必要です。

今後、会計業界でも当社と同様に世代交代が進んでいくと思いますので、若い世代に向けての取り組みを進めていかなければなりません。当社では、いまだにDMなどアナログな方法でセミナーのご案内を行なっていることも多く、情報発信の仕方も含めて時代に合ったやり方にシフトしていくことは必要だと思っています。

情報発信をデジタル化する一環として、2018年8月から「実務経営ニュース」の電子版をオープンさせました。バックナンバーも少しずつ充実させています。セミナーに関しても今後ストリーミング配信などには取り組んでいくつもりです。

当社は会員ビジネスで数多くのセミナーを開催しているため、業績が急に上下することはありません。多少の上がり下がりに一喜一憂することはないのですが、業績が落ち始めてから新しいことに着手しても手遅れになってしまいます。3~5年のスパンで確実に業績を伸ばしていくためにも、今のうちから事業の幅や深さを拡大しながら様々な手を打っていきたいと考えています。

また「後継者」のことも含め、人材採用や人材育成の課題も解決したいです。これまでは中井-板垣ラインで会社を引っ張ってきましたが、私の代からはマンツーマンではなく、複数の幹部を育成することが必要かもしれません。いきなり全てを切り替えるのは難しいかもしれませんが、承継してから最初の数年で方向性はある程度固めていきたいと思っています。



<インタビュー情報>

株式会社実務経営サービス
常務取締役 板垣 誠
会社ホームページ https://www.jkeiei.co.jp/

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