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企業で働くすべての人が幸せで楽しく働ける環境をつくるために


株式会社エフテック
代表取締役社長 伏見 浩平



創業から現在に至るまでの変遷について教えてください。

エフテックの設立は1991年。先代である私の父が創業し、NTT関連の電話工事屋さんからスタートした会社です。創業当初は、電話回線とビジネスフォンをセットで提供する事業がメインでした。NTTが民営化された後の変革期だったこともあり、業界全体として相当景気がよかったと聞いています。

1998年、Windows98が登場し、ビジネスシーンでパソコンが台頭してきたことが転機となり、電話設備だけでなくLANケーブルの敷設などネットワーク関連の工事も請け負うように。それから事業領域を徐々に広げ、現在ではコミュニケーションツールとしての電話環境・ネットワーク構築・セキュリティ環境コンサルティング等を中心としたオフィス環境全般のインフラ整備が主な事業内容です。

一言でインフラといっても幅広く、シンプルなものだと電気のコンセントを一個つけてほしいとご相談いただくこともあります。最近ではクラウド関係のシステム構築をお手伝いさせていただくことが増えてきました。オフィス環境整備の一環として、造園業のパートナーと提携して観葉植物のレンタルなども取り扱っています。

また、オフィス環境事業のほかに、官公庁などの入札案件に応札して建設プロジェクトの電気通信工事を全般的に管理するCM(コンストラクションマネジメント)事業と、全国展開しているクライアント様の通信機器を全店舗一斉に整備するNP(ネイションワイドプロジェクト)事業も行なっています。



伏見社長は子どもの頃からお父様の後を継ぐことを意識されていましたか?

子どもの頃は正直に言って父の後を継ぐことは全く考えていませんでした。父が会社を経営していることは知っていましたが、仕事の内容にはあまり関心がなかったのです。エフテックがどのくらいの規模で、何をしている会社なのか全く知りませんでした。

大学では自分のやりたいことを優先して舞台美術の空間デザインを専攻。戯曲を読んで考えたデザインを形にするのはすごく面白かったのですが、公演が終わるとすぐに舞台を壊さなければいけないことに虚しさを感じるように。残り続けるモノをデザインしたいと考え、大学卒業後、昼間は飲食店で働きながら夜間の専門学校に通って建築を学びました。

専門学校で二年間建築を学んだ後、就職先として選んだのは飲食店の店舗内装をデザインする会社でした。舞台美術のような遊び心がありながら、かつ舞台みたいにすぐ壊されることのない飲食店の空間づくりに携わりたいと考えてのことです。

その会社では5年ほどお世話になったのですが、ロゴのデザインや店舗の設計、現場管理の仕事など飲食店の店舗づくり全般に携わらせてもらいました。何日も寝ずに働いたりとハードな職場ではありましたが、やりがいがあって非常に楽しい仕事でしたね。



エフテックに入社されたキッカケを教えてください。

社会人として働き始めて数年が経ち、漠然と経営者になりたいと考えるようになりました。自分のやりたい事をやりたいようにやることができる経営者として仕事をしていきたいと考えるようになったのです。

そう考えるようになった頃、父が60歳を迎え、会社としても20周年という節目のタイミングで、父から「一緒に働かないか」と誘われたのがエフテックに入社したキッカケです。私自身が経営者になりたいと考えるようになったのと、父から声をかけられたタイミングがマッチしていたんですね。

当時、様々なビジネス書を読んでいた中で、会社を20年継続させることの大変さや、長年継続してきた会社にはお金では買えない信用や信頼が生まれることを学んでいました。父が築き上げてくれた信用や信頼といった土台の上に、自分のやりたい事業の柱を建てていくことに魅力を感じたことが入社を決めた理由です。



入社されてからはどのようなことに取り組まれましたか?

私がエフテックに入社した当時、社員が個々人で各々の能力と采配で仕事をしており、個人商店の集まりのような組織で、会社組織としてのノウハウの蓄積がまったくないような状態だったのです。企業で働く人のための環境づくりをする会社として、まずは自社で働いている社員が幸せで楽しく仕事ができる環境をつくらなければならないと思いました。

そこで、入社二年目にエフテックで働く社員全員が何のために仕事をしているのかという視点に立ち返って、「働く人にFのチカラを。」という企業理念を策定しました。FAST「スピーディな対応力」、FINE「元気いっぱいの行動力」、FULL「誠実で思いやりのある人間力」、FUTURE「明日をより良くする提案力」の4つのFのチカラで、より良い就労環境をつくり、すべての働く人の役に立つという想いを込めています。

理念を明文化した翌年から、理念に共感してくれる人と一緒に仕事をしていきたいと考えて新卒採用を始めました。「この会社楽しそうだな。やりがいがありそうだな」という気持ちで入社してくれる子が多かったので、新卒採用に取り組んだのは正解だったと思います。新卒の社員が入社してくることで、既存のベテラン社員たちにもいい影響がありました。

それまで個人商店で目の前の仕事をするだけの組織だったのが、新卒が入社してきたことで教育に目が行くようになったのです。新人に教えるようになって全員の責任感が増し、また教えようとすることで既存社員の仕事の習熟度も高まっていくという良い循環が生まれました。




理念策定を中心とした組織づくりに取り組まれたことで、どのような効果がありましたか?

5年前に理念を明文化したことで以前と比べて業績を約二倍に伸ばすことができました。と言っても、新しい営業手法ができたとか、利益率の高いビジネスモデルを構築したわけではありません。働いているメンバー一人ひとりのマインド的な成長や、組織一丸となって動く仕組みが徐々に形になってきた結果です。また、新卒として採用した若手たちが、教えられる側から教える側になってきたことも数字に紐づいてきていると思います。

組織として同じ方向を向いているメンバーが、みんな誠実な姿勢で仕事に向き合っていることがエフテックの最大の強みです。我々の仕事は設備を販売設置して終わりではありません。その先も長くお取り引きさせていただくことが多いため、日々の対応は特に力を入れて取り組んでいます。「誠実・丁寧・親切」をメンバー全員が徹底できていることが、お客様から一番評価いただけているポイントだと思っています。

当社は他社のどこも真似できないような独自の仕事をしているわけではありませんし、他社と比べて価格が安いわけでもありませんが、「エフテックにお願いしたい」というお客様が非常に多いのです。通信系のインフラは何かトラブルがあるとお客様の事業に非常に大きな影響を与えるため、「あの会社なら信頼して任せられる」と思っていただける信頼感は非常に大きなブランドになっていると感じています。



事業承継後、課題に感じられていることはありますか?

2018年1月に正式に代表を交代して二代目に就任しました。ただ、代表に就任する以前から経営者としての意識を持ってやってきましたし、父の配慮で私がやりたいことには積極的に取り組ませてもらえていたので、代表に就任したからといって何か劇的に変わったところはありません。

入社当時感じていた組織面での課題は、だいぶ解消に向かっているのを実感しています。一方で、私自身、経営者としてはまだまだ未熟な部分があるため、もっと良い経営者になっていかなければなりません。経営者が良くなれば会社もさらに良くなっていくと思うので、自分自身が日々研鑽することを忘れずに意識していくつもりです。

組織としてはエフテックで働くメンバーが、より幸せに楽しく仕事をする環境をもっと構築していきたいと思っています。本当は就業時間などもなくして自由に働けるようにしていきたいのですが、会社の業績と楽しく働ける環境のバランスをどう調整していくかが今後の課題ですね。

企業として利益を追求していくことは当然必要なことですが、現在のビジネスモデルでは売上げに比例して忙しく働くことが必要になるため、単純に仕事の件数を増やすだけでは働きやすさと働きがいを高めていくのは難しいのが現状です。現在の延長線ではなく、新しいやり方や商材をつくりだしていかなければなりません。

エフテックの社員が幸せで楽しく働ける環境を追求することで、結果的にお客様にも良いサービスや商品を提供することができると考えています。「エフテックのような会社になりたいから、エフテックに働く環境づくりをお願いする」と言っていただける状態にまでもっていきたいですね。



今後の目標を教えてください。

エフテックでは「すべての働く人のための環境づくり」をキーワードにしていますが、今後AIの進化・発展により人の働き方は変わっていきますし、日本国内で考えると将来的に就労人口が減少していくのは避けられません。そのため、人口が増加していく海外に目を向けて、早い段階で海外進出をしたいと考えています。

また、これまでは主にオフィス環境整備を取り扱ってきましたが、もう少し広義な意味での働く環境づくりをしていきたいと考えており、社労士さんとタッグを組みながら在宅ワークの支援や就業規則の改定、新しい働き方の提案などができる仕組みの構築を目指しているところです。コアとなるコンセプトはこれまでと同じですが、新規事業の位置づけで取り組んでいきます。

20~30年後の世界を想像して新規事業を考えても、そもそも予想を的中させるのは難しいですよね。そのため、1~3年後の短期的な目標を掲げ、毎年新しいことに挑戦しながら、その時々で必要な事業を展開していきたいと思っています。状況に合わせて常にバージョンアップを重ね、近い未来の目標をずっと考え続けていきたいですね。

今後はこれまで以上に一丸となって同じ方向に進んでいけるような組織づくりに取り組んでいきます。また、ES(従業員満足度)を徹底的に高め、働くことを幸せに感じられているメンバーがお客様を幸せにしてCS(お客様満足)を高めていけるような良いサイクルを生み出していくつもりです。




<インタビュー情報>

株式会社エフテック
代表取締役社長 伏見 浩平
会社ホームページ http://www.f-tec.co.jp/

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