Original

人との出会いを大切にし、協力会社と連携して一緒に塗装業界を盛り上げていきたい

株式会社コーティング小林
代表取締役小林 秀行

創業から現在に至るまでの変遷について教えてください。

私の父が他の会社で10年ほど営業の仕事を経験した後、1978年に塗装会社であるコーティング小林を立ち上げました。今年(2018年)で40周年を迎えます。コーティング小林では創業当初から主に金属塗装を取り扱っており、その部分は現在も変わっていません。

事業内容を一言で表すと「金属のお化粧」ですね。肌を整えてファンデーションを塗るお化粧と同じで、デコボコしている金属の表面をキレイに洗って油を落とし、塗装して焼き付けキレイに仕上げるのがコーティング小林の仕事です。

金属塗装の中でも、金属を塗装した後、炉に入れることによって塗料を硬化させる焼付塗装がメインです。自然乾燥だと仕上がるまで1日干しておく必要がありますが、焼き付ければ1時間で仕上げることができるので量産に適しているんです。

現在手がけている仕事ではエアガンの塗装の比率が一番大きいですね。その他にも建築に使われるネジなど細かい金物や雑貨品の装飾など幅広く手がけており、様々なお客様のニーズにお応えできるように心がけています。

丁寧かつスピード感を持って塗装を仕上げられることと、協力会社との繋がりを活かしてお引き受けできない仕事がないと言えるのがコーティング小林の強みです。また、これまでやったことのない新しい仕事にも積極的にチャレンジしていきたいと考えています。

おかげさまで昨今では個人のお客様の数も増えてきており、リピートや紹介での引き合いをいただけることが多くあります。良いモノを作り続けていれば必ず返ってくるという実感がありますね。


二代目として継承する意識は当初からありましたか?

私が子どもの頃から、父は「鉄は錆びるしアルミだって腐食するんだから塗装の仕事はなくなることはない」とよく言っており、安定している仕事だという印象が強かったため、自然と父の仕事を継ぐ意識は持っていました。

学生時代はリーダー的なタイプではありませんでしたが、小中高と仲間は多かったですね。バイクが好きでよく仲間と走りに行っていました。そういった仲間とのコミュニケーションは今の仕事にも活きていると思うところがあります。仲間との関わりの中で、この人にはこう接した方がいいとか、この人はこうしたら嫌がるといった人を読む能力が身についたと思います。

高校を卒業した1995年にコーティング小林に入社しました。今思えば、人に使われるより父の会社を継いだ方がいいと単純に考えていましたね。正直に言うと、入社した当時はいいかげんな感じで、二日酔いで出社したり働きぶりもあまり真面目な方ではありませんでした(笑)。

入社後3年くらいはそういった状況が続いたのですが、お客様の声を直接聞くようになってから意識が大きく変わりました。お客様からのご意見や、仕事への評価を直接聞くようになってから急激にやる気が出たんです。それからは全力で仕事に取り組むようになりましたね。

当時、叔父が専務を務めてくれており、父と母と専務の3人で苦労して会社の土台を築き上げてくれました。この3人なくして今のコーティング小林は在り得ません。

父の後、専務が一旦引き継ぎ、その後私にという話もあったのですが、専務は職人気質で人と接することがあまり得意なタイプではなかったため、お客様と仲良くすることを苦手としない私が二代目として引き継ぐこととなりました。

おそらく父と専務が話し合って私を二代目として選んでくれたんじゃないかと思います。代表を交代するきっかけは父が病気になったことが大きかったです。父が癌になり長く入院することとなったため、2011年に二代目として就任しました。



会社を継承されてから苦労されたことはありますか?

私が社長に就任してから、おかげさまで業績は右肩上がりなので、仕事の面では大きな苦労というものはあまりないんです。今は会長をしている父も代表を交代した当初は色々と口を出してきて言い合いになることもありましたが、売上げという結果が出ているため今は見守って任せてくれています。

ただ、やはり人材育成に関しては難しいと感じる部分も多く、今後の課題だと思っています。私は社長だからといって偉そうにすることはなく社員と同じ目線で接するタイプなのですが、会社は仲がいいだけじゃダメなんですよね。一人ひとりが経営者というくらいの責任感で仕事に取り組んでほしいと思っている一方で、そういうマインドを教育していくことは本当に難しいと実感しています。

先代の父は昔気質でワンマンな経営者だったのですが、私は社員一人ひとりが考えて会社を盛り上げていってほしいと考えているため、「For you」という経営理念を策定し、理念の浸透を図っています。「For you」には、「誰かのために」という想いを込めており、たとえば「お客様のために」とか「家族のために」働くという意識を共有していきたいんです。

また、「一、笑顔」「二、プラスの言葉」「三、気持ちの良い返事」「四、目の前の人を大切に」「五、お客様に安心感を与える」というコーティング小林の「五箇条」を壁に掲げて毎朝唱和しています。シンプルで当たり前のことばかりですが、この五箇条を声出しするようになってから目に見えて雰囲気が良くなってきました。


先代のお父様の時代から、仕事の面で変えられたことはありますか?

先代の時代は、とにかく仕事の数をこなして「売上げが全て」という感じでした。これだけの従業員を養っていかなければなりませんから、どんどん稼いで利益を上げたいという考えにも一理はあると思いますが、昔は毎日残業が当たり前で十数時間労働も珍しくないという状況だったようです。

私が入社した頃もまだその名残はあったのですが、今はほぼ定時で終わらせるようなスタイルになりつつあります。同じ塗装業の協力会社への外注を増やして、ウチの設備が得意とする仕事だけを自社でするようシフトしていったんです。外注できる横の繋がりがどんどん増えてきたことで、業務がずいぶんと楽になったと思います。

私は「徳を積む」という言葉が好きで、出会った人を大切にしていきたいと思っています。仕事の面でもその思いは大事にしていて、同業他社とも協力しながらお互いに成長していきたいと考えているんです。

仲間になってくれている協力会社は塗装組合で知り合った会社が多いですね。他にも仕入先の塗料屋さんから紹介されて仲間になってくれた会社もいます。コーティング小林では2mを超える大型の塗装はできないけれど、仲間の塗装会社に頼めば4~5mの塗装も引き受けることができるということもあります。

昔は同業者同士が顧客を奪い合って喧嘩になるということもあったようですが、お互い得意とするゾーンが違うので協力して仕事をシェアした方がお互いにとってメリットが大きいはずです。お互いの強みを持ち寄ることで、幅広いお客様のニーズに応えていける体制をつくれたことが今のコーティング小林の強みに繋がっています。

また、会社ホームページを制作したり名刺をリニューアルしたりと、会社の見せ方を変える様々な取り組みは行なってきました。その効果もあって、昔は法人のお客様ばかりだったのが、インターネットを経由して個人のお客様からの引き合いも増えてきました。

会社の見せ方を変えた看板の改修(左・旧)(右・新)


金属塗装という事業の核を変えるつもりはありませんが、その他の部分は少しずつ変えていこうという意識は常にあります。大きな変化でなく今日よりも明日の方が少し良くなればいいというのが私の考えなんです。

今後の展望について教えてください

売上げとしては5年後には今の倍くらいにできるのではないかと思っています。というのも後継者が不足していることで塗装会社がどんどん辞めていってしまう中で、コーティング小林には若い人材が揃っているため、相対的に仕事の量は増えていくと考えているんです。

増えていく仕事に対応するために人員や設備など自社の規模を拡大していくのではなく、日本全国規模で協働できる仲間をもっと増やして、仲間と共に伸びていけるのが理想です。仕事が増えていくからといって無闇に規模を大きくしてしまうと何かあったときにキツくなってしまいますから、現在の会社の規模で挑戦をしていきたいと考えています。

また、塗装技術の向上についても積極的に取り組んでいきたいですね。今でもお客様には十分満足していただけていますが、もっと剥がれにくい塗装であるとか携帯電話を落としても傷つかない塗装といった新しい技術を塗料メーカーと一緒に開発していきたいと思っています。なかなか新しい技術というのは簡単ではありませんが、本当に自信を持ってお客様に案内できる商品・サービスを生み出していきたいんです。

コーティング小林一社だけではできることに限界があるため、同じ塗装業界の各企業と連携して一緒に業界全体を盛り上げていきたいですね。

本社・第一工場 

<インタビュー情報>
株式会社コーティング小林
代表取締役 小林 秀行様
会社ホームページ http://www.coating-k.com/

この記事を読まれた方が他に読んでいる記事