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【Vol.5】2代目経営者ならではの目標設定とは?


目標設定は過去の延長にあらず

目標設定をするにあたり、現状を正しく把握することの重要性は、前回の『2代目経営者が漠然と感じる将来への不安の正体』でお伝えしました。現状を正しく把握し、現状と目標とのギャップ(=課題)をひとつひとつ埋めていくことで、目標達成に近づいていきます。

「引き継いだからには、会社を絶対に潰さない」
「さらにより良い状態で継承するための土台を作りたい」
「先代との違いに悩みながらも、自分としてのやりたいことがある」

大事業承継時代と言われる現代、経営のバトンを引き継いだ2代目経営者の方が、先代とは時代背景が大きく違う中で、経営に苦労されているというお話をよく聞きます。

ただ、最近では「時代の先が見えないから」、「予測しても当たらないから」、「設定したような結果が得られるとも限らないから」と言って、目標設定そのものをしない企業も増えています。

果たして、目標設定は無意味なのでしょうか。今回は、目標設定の意義とポイントを考えます。



会社のありたい姿を描く

当グループでは、経営計画の専門会社として、30年以上事業を行ってまいりました。

1,000の税理士・会計事務所、90の地銀・信金を通じて、直接・間接合わせて累計1万社を超える中小企業の支援をしてきました。

経営計画づくりを長きにわたって支援してきた中で、特に重要だと感じていることは、「社長が会社のありたい姿を思い描き、それを中期経営目標として設定できているか否か」です。

目標設定は過去の延長にあらず

社長自身がその目標を達成したときに心の底からワクワクできるような目標設定をしている企業と、過去の延長で目標設定している企業とでは、5年後の業績に必ず大きな差が出ます。



社員を奮い立たせる目標設定をする

人は目標を設定すると俄然やる気が高まり、覚悟も決まります。社長は明確な目標を明示し、最も重要な利害関係者たる社員へのコミットメントをするべきです。

目標設定をすることで社長は自分に良い意味でのプレッシャーを与えるだけでなく、真の協力者を得ることや、社員からの支持を得ることができます。

また、ゴールが明確になると、社員は「この会社で働いていく将来」をイメージすることができます。会社の成長と社員自身の成長イメージを重ね合わせることで、将来得られるであろう達成感、成長感、自己実現感に胸を膨らませ、意欲的に働くことができます。



目標設定だけでは会社は変わらない

過去の延長にない目標設定をすることで、社長の覚悟や具体的なゴールを社員に提示することができます。

そうすることで、やるべきこと、課題(テーマ)が明確になり、社長は「確信」を、社員は「安心」を得ることができます。

目標設定をしないと会社は変わりません。しかし、目標設定をしただけでは会社は変わりません。では、目標を達成するために必要なことは何でしょうか。

それについては次回、ご紹介していきます。ぜひご覧ください。


浅野 泰生

浅野 泰生

非連続な成長戦略の立案を通じて、経営者が描く "なれる最高の企業"づくりを支援するプロフェッショナル。 ■MAP経営グループ 代表 ・株式会社MAP経営 代表取締役 ・株式会社THE MAP 代表取締役 ■来歴 ・1972年生まれ。愛知県一宮市出身。 ・MAP経営は、1,000を超える会計士・税理士事務所、100公庫の地銀・信金を通して、30年にわたり1万社を超える中小企業の支援をしてきた経営計画の専門会社。 ・2014年1月には血縁関係のない創業者からの経営承継により代表取締役社長に就任。 ・事業承継後、積極的な風土改革に取り組む中で、4期連続で増収を達成したうえ、社員一人当たりの粗利を1,000万円から1,600万円に向上させた。 ・社長としてマネジメントに従事しながらも「現場の状況を少しでも改善し、中小企業の経営者・税理士の先生のお役に立ちたい」と全国各地で研修やセミナー講師として励む。年間70回以上、これまでに3,000人以上の経営者や税理士向けに講演活動をしてきた。 ・著書に『最強「出世」マニュアル』(マイナビ)がある。