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2代目経営者はオールマイティを目指すべきなのか?【2代目経営者 経営コラムVol.3】


オールマイティな創業者

創業者はオールマイティという言葉をしばしば耳にします。

0から1を生み出す強力なバイタリティ、会社を軌道に乗せるための絶対的な商品知識と営業力、カリスマ的なリーダーシップ、攻めと守りの絶妙なバランス感覚、いかなる困難をも乗り越える超ポジティブ思考など、創業者の偉大な点を数えあげればきりがありません。

皆さんは創業者にどのようなイメージをお持ちですか。

今回は、一般的にオールマイティと形容されることの多い創業経営者とその後を継ぐ2代目経営者の比較から、それぞれの経営スタイルを掘り下げ、その本質を考えていきます。




創業期と承継期

創業期は何もないところから少人数で始めるので、創業者は会社におけるすべての業務に携わっています。それが、オールマイティと言われる所以です。

突出した能力とパワーを持つ社長がピラミッドの頂点に立ち、1人で会社をグイグイ引っ張り、ドンドンと大きくしていく。会社が大きくなれば、やがて組織ができます。

後継者はその組織のうちの、いずれかのセクション長から選ばれることがほとんどです。彼らはそのセクションの実務に精通していますが、会社における業務全般を把握できているかといえば、そうではありません。

自身の専門分野以外のマネジメント層の力を借りなければなりません。創業者ならばトップダウンで末端の社員まで指示を出すことも可能ですが、2代目経営者は同じやり方を目指せば失敗します。先代の背中を追って、オールマイティを目指してはいけない。2代目経営者がなすべきことは、経営チームをつくることです。




経営チームをつくるということ

MAP経営が事業承継後に軌道に乗れたひとつの要因として、経営チームを構成したということが挙げられます。

創業者はすべて自分で決めて、こと細かに社員に指示を出し、また自らそれをフィードバックします。一方で、2代目経営者は社員の意見を引き出した上で意思決定をし、実行面でも組織として機能させることが重要となります。

当社もそれぞれのセクションに、私よりも秀でたスキルや経験を持った社員がいて、活躍してくれています。2代目経営者は、それぞれのスキルを活かすことで、チームとしての強さを発揮するべきですし、サポートしてくれる仲間が必要です。




準備が必要なのは社員も同じ

事業承継には相当の時間を要することがわかってはいても、実際に事業承継準備に十分な時間を取れている企業は少ないものです。大抵の2代目経営者は継いでから“経営”を目の当たりにします。当社が支援している経営者からも、「もっと早くに知っておきたかったことがたくさんある」という本音を耳にします。

そして、本来なら事業承継前に、後継者の幹部候補となりうる人たちの準備も必要なのですが、社員側の準備、育成期間の重要性は意外と知られていないものです。

では社員側の準備、育成に十分な時間をとって取り組むために大切なことは何でしょうか。

それについては次回、ご紹介していきます。ぜひご覧ください。

浅野 泰生

浅野 泰生

非連続な成長戦略の立案を通じて、経営者が描く "なれる最高の企業"づくりを支援するプロフェッショナル。 ■MAP経営グループ 代表 ・株式会社MAP経営 代表取締役 ・株式会社THE MAP 代表取締役 ■来歴 ・1972年生まれ。愛知県一宮市出身。 ・MAP経営は、1,000を超える会計士・税理士事務所、100公庫の地銀・信金を通して、30年にわたり1万社を超える中小企業の支援をしてきた経営計画の専門会社。 ・2014年1月には血縁関係のない創業者からの経営承継により代表取締役社長に就任。 ・事業承継後、積極的な風土改革に取り組む中で、4期連続で増収を達成したうえ、社員一人当たりの粗利を1,000万円から1,600万円に向上させた。 ・社長としてマネジメントに従事しながらも「現場の状況を少しでも改善し、中小企業の経営者・税理士の先生のお役に立ちたい」と全国各地で研修やセミナー講師として励む。年間70回以上、これまでに3,000人以上の経営者や税理士向けに講演活動をしてきた。 ・著書に『最強「出世」マニュアル』(マイナビ)がある。